You can get back issues by ordering WEST END GAMES directly. For more information about direct order, click here.
はるか昔、この宇宙(Cosmverse)が作られるより以前、破壊の権化であ る名無き者が、創造の権化であるアペイロスと喧嘩した。名無き者は、 アペイロスの作ったものを全部食らい尽くそうとした。ちなみに Apeiros というのは「無限」という意味のギリシャ語だそうです。
アペイロスは旗色が悪くなったのでそこから逃げ出し、名無き者のいな い場所まで来て、そこで再び創造を始めた。その場所を「コズムバース」 と呼び、創造した物を「コズム」と呼んだ。
アペイロスに逃げられた名無き者は、いつか再びアペイロスとその創造 物を破壊し尽くそうと誓ったが、アペイロスを捜し出すことができなか った。そこで、数多くのダークネスデバイスを作り、あらゆる方向に送 り出した。
永劫とも思える時が流れ、ダークネスデバイスのいくつかは、コズムバ ースへと到達した。名無き者は物を作ることを苦手としていたため、ダ ークネスデバイスも単体では何もできない存在だった。しかしそれらは、 アペイロスの創造した知的生物を堕落させて自らの奴隷としたとき、恐 るべき破壊力を発揮した。
かくして、ダークネスデバイスは、欲望に駆られた者たちをハイロード とし、ポシビリティ戦争が始まった…
さて、ゴーントマンの地球侵攻が始まって三か月余りが過ぎます。地球の自転
はどんどん遅くなり、このままでは人類はもちろん地球全体が壊滅的な打撃を受
ける、と思われた頃。
タンクレッド家のトルウィン、カダンドラのコズムからやってきた次元工学の
神童にしてサイバー戦士ハチ・メイラ=2, イエズス会の司祭クリストファー・ブ
ライス、オーストラリア原住民の祈祷師ジル、ゴーントマンを裏切った狼男カー
スト、元大リーグのスーパースターにしてアメリカ上院議員のアンドリュー・ジ
ャクソン・デッカー、と言ったストームナイトの面々が、イギリスのアイルのレ
ルムへとやってきます。彼らはすでに小説第二巻でゴーントマンを打ち破った猛
者達。
そして彼らがオクスフォードへ降りるブリッジを渡り、剣の谷で待ち構える軍
勢と死闘を演じている最中、ブリッジからはユーソリオン(当時はまだアーディ
ネイの体)とジャン・マルロー(当時はまだ非サイバー)の二人が地球へ向かって
ブリッジを降り始めます。かくして小説三部作は最大のクライマックスを迎えま
す。
デッカーはワイルド・ハントの長ヴォータンと対決し、ストームを起こします。
そして残りの面々に「俺はいいから先に行け、ユーソリオンを倒せ」と言うわけ
ですね。この対決がどういう結末を迎えたかは小説に書かれていませんが、その
後もアイル・ソースブックでヴォータンが元気に活躍しているところを見ると、
おそらくデッカーは負けてしまったものと考えられています。
ハチ・メイラ=2 はマルローと対峙します。彼女は指に仕込んだスライサーで
反教皇に襲いかかり、背中に傷を負わせます。不利と見たマルローは、ディムス
レッドを呼びだし、ユーソリオンを見捨てて逃げて出します。しかしこのとき、
ジャズとデータチップがマルローの傷口に張り付いてしまいます。傷口から中に
入ったジャズのためにマルローの頭脳はデータチップと結ばれ、これがサイバー
教皇領誕生のきっかけとなります。
しかし、ユーソリオン一人とは言えどハイロードはハイロード。まともに戦っ
ては勝ち目がない。そこでジルは、ドリームタイム(Dreamtime)と呼ばれるポケ
ット・ディメンジョンとこの地点とを結ぶ魔法をかけ、ドリームタイムの中に全
員を引き込みます。このドリームタイムってのがいったい何なのか説明がほとん
どないのですが、オーストラリア原住民の間に伝わる異次元世界のようです。六
田登の「バロン」にも出てきたよね。
ここでジルはトルウィンに「剣を捨てろ、アーティストになれ」と言います。
精霊の領域であるドリームタイム界では、剣の腕ではなく、芸術的な才能が勝負
を決するようです。そこでトルウィンは剣を鞘に収め、「物語」を選びます。
ところが、これと時を同じくして、オーロシュのイルマウンド城塞では、スラ
ッチェンが名無き者を呼びだそうとしていました。せっかく謀略を巡らしてゴー
ントマンを葬ったのに、目当てのダークネスデバイスは行方不明。「ゴーントマ
ンを倒して自分がハイロードになる」という野望を絶たれたスラッチェンは、ダ
ークネスデバイスの元締めである名無き者を呼び出し、接触しようとしたのです。
スラッチェンは、例の Infernal Device に蓄えられた地球自転のエネルギーを
引出し、名無き者まで召喚のシグナルを送ろうとします。そして、これが名無き
者のところまで届いてしまいました。
さあ大変。たかだか一人のハイロードごときで手を焼いているのに、それを遥
かに超えた破壊の権化、ダークネスデバイスの親玉がやってきてしまいました。
ドリームタイムの中にいた一行は、名無き者の暗黒に包まれて全滅しかけます。
そして名無き者はさっそくコズムを食べ始め、このままでは全コズムバースの全
滅は時間の問題かと思われました。
「奇跡」が起きたのはこのときです。なぜ奇跡が起こったのかはよくわかりま
せんが、ドリームタイムの中でのブライス神父の祈りと訴えが大きく効いたと言
われてはいます。地球人類の祈りが一瞬だけ一点に集まったのかもしれません。
名無き者の破壊行為によってコズムバースの「永劫則」が一瞬だけ無効化された
からだ、とする説は有力です。
とにかく、奇跡は起きました。ドリームタイムの暗黒の中に、一筋の強烈な青
と赤の光が差します。アペイロスが直接介入してきたのです。
さしものアペイロスも、名無き者を直接倒すことはできませんでした。戦闘は
アペイロスの得意とするところではないのです。その代わりアペイロスは、「可
能性(Possibility)」を作り出しました。
通常、第一永劫則は二つの未来が同時に起きることを禁止します。猫が生きて
いてかつ同時に死んでいる、ということは許されないのです。無限の可能性のう
ち、実際に形になるのは常に一つです。
ところが、名無き者のためにこの永劫則が一時無効化されました(永劫則まで
食べてしまった、という説が有力)。この隙を突いたアペイロスは、コズムバー
スに可能性を与え、無限の可能性のすべてを実現しました。コズムバースの時間
線は、この時点を境に、無数のパラレルワールドに分岐します。今や無限個の、
少しずつ違ったコズムバースができてしまいました。
そして、この無数のコズムバース全体を、人々は「インフィニバース」と呼び
ました。
ちなみにこの奇跡によって、ユーソリオンはアーディネイの体から追い出され、
フランスにはテック・サージが起き、インド洋の底に沈んでいたゴーントマンの
機械から放出されたエネルギーによって再び地球は自転を始めます。
f
なに、地球を回したのは自分たちだって? いや、地球が急に回り始めても誰も
怪我をしなかったのは、やはりアペイロスのお陰でしょう。あるいは、ドラマテ
ィックな行動解決のときにストームナイト全員が「回ってくれー」っと心を一つ
にしたのも、奇跡に一役買っていたのかもしれません。
こういうわけで、可算無限個のコズムバースが作られました。まさに、
Apeiros (無限) の名前の通り。
いくつかのコズムバースは、作られてすぐ名無き者に食われてしまいました。
しかし、食われるより作り出される方がずっと速く、名無き者を圧倒します。名
無き者は全てを一度に食らおうとしました。その触手を限り無く伸ばし、薄く薄
く広がっていきます。そして、ついには増殖の速さにおいつけず、触手がちぎれ、
諦めて去っていきます。
そうして、無数のコズムバースは生き残り、第一永劫則も復活します。各コズ
ムバースのたどる道はここから分岐し、少しずつ異なる歴史をたどることになり
ます。いくつかのコズムバースではハイロードがすぐに勝利を収め、地球が破壊
されてしまいます。またいくつかのコズムバースではストームナイト達が勝利を
収め、地球は平和を取り戻します。しかし、圧倒的大多数のコズムバースでは、
ポシビリティ戦争はさらに激化し、今日に至っています。
To see the cover illustration of the supplement, click here.
To see the cover illustration of the supplement, click here.
To see the cover illustration of the supplement, click here.